「よしみちゃんのえほん」の よしみちゃんは、さだこさんのはじめてのお子さんです。
さだこさんは、小学校の先生のお仕事をしながら、ふたりの娘を育てました。5年前、ご病気のために、よしみさんは、天国に旅立たれました。お母さんであるさだこさんよりも先に。
さだこさんは、「よしみのことを、絵本にしたいのです。」と、おっしゃいました。お母さんの目から見守り続けたよしみさんの姿を、一冊に残したい、と。
私が知っているさだこさんは、教育者として長年、様々な場でご活躍されている、山﨑貞子先生です。このたび芳美さんについてお聞かせいただく中で、実は先生ご自身が働く女性の先駆者として苦労して道を切り開いてこられたことを知りました。ご苦労の日々を語るとき、必ずご家族への感謝の言葉がともに添えられていました。
芳美さんのことを語る貞子先生のお顔は、立派な肩書きの専門家ではなく、一人のお母さんでした。貞子先生の中に生きる芳美さんの姿を追いつつ、ささやかな癒しになればと願いながら、小さな絵本を綴りました。
2023年11月